ばば子どもクリニック

東京都羽村市の小児科医院、ばば子どもクリニックです。
院長のコラムや、スタッフの小噺、クリニックからのお知らせをを掲載しています。
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補完食のおはなし

補完食(離乳食)のおはなし リスト

補完食(離乳食)のおはなしのコラムリストです。
全6回で順次公開していきます。

補完食(離乳食)のおはなし・その1
ー補完食とは?ー


補完食(離乳食)のおはなし・その2
ーおかゆとエネルギー量ー


補完食(離乳食)のおはなし・その3
ーおぎなう栄養素のお話ー

補完食(離乳食)のおはなし・その4
ーいつから?どのくらい?ー


補完食(離乳食)のおはなし・その5
ーフォローアップミルクとベビーフードー


補完食(離乳食)のおはなし・その6
ー補完食でよく話題に出ること。ー

補完食(離乳食)のおはなし・その6

○食べさせるときのポイント、気になりがちなこと

・食べさせるのではなく子どもが自分で食べる

食べるのが最初から上手なお子さんもいれば、下手なお子さんもいます。そのまま食べられないで大人になる人はいないので、焦らないでチャレンジしてみてください。

スプーンで食べたがるのならスプーンを持たせてもいいし、手づかみ食べが好きなら手づかみでOKです。


・焦らない

初めて食べるものは1回は吐き出します。これはすべての動物がやることです。
なので、吐き出してもあわてなくていいんです。残念に思わなくていいんです。そんなもんだとおおらかにいきましょう。


・楽しく食べる、チャレンジする

できるだけ家族と一緒、楽しく食事をしてください。

これ、すごく大事なんです。
大人が食べているのを見て、真似して食べるお子さんもいます。

美味しい匂いを嗅ぐとお腹がすくのは、大人も子どもも同じです。


大人の方も食え食えとせかすように言われて食べても美味しくないと思います。赤ちゃんも同じです。

赤ちゃんにご飯を上げる大人がしかめっ面をしていたら、美味しいご飯も美味しくなくなります。

赤ちゃんも一緒に楽しく食卓を囲みましょう。



・アレルギーが心配

よく、アレルギーが心配で離乳食を始める時期を遅くしているという話を聞きます。

しかし、離乳食を遅く始めると食物アレルギーが出にくいと言う根拠はありません。

むしろ、早期から少量ずつ摂取を始める方がアレルギーが出にくいという報告もありますし、最近では、湿疹のケアが食物アレルギーの予防の一つになるという報告もあります。

特に湿疹のひどい赤ちゃんでなければ、離乳食早期から卵も小麦も食べさせて大丈夫です。

湿疹のひどい赤ちゃんは、湿疹が落ち着いてからになるので、当院にご相談ください。



以上、6回にわたり、補完食のお話をしました。
補完食についてわからないことがあれば、遠慮なくご相談ください。



 

補完食(離乳食)のおはなし・その5

自分で作る?市販のものを使う?  というお話。

基本的には家庭の事情に合わせていいと思います。

ただ、

出汁から取るとか、離乳食だけたくさん作り置きするとか、
あまり気合を入れて作る必要はないと思います

もちろん、作るのが好きな方はどんどん作ってください。)

家族の食事を作るときに味付けの前に取り分けておくぐらいのレベルでも十分だと思います。

また、市販のベビーフードを使うのも手ではありますが、市販のものだけではエネルギーや蛋白質の量が不足するので、色々と組み合わせて使う必要はあります。
とりわけや、市販品を上手に使って、無理なく補完食をすすめていきましょう


・フォローアップミルクは必要か?

フォローアップミルクは必須のものではなく、育児用のミルクではありません。
ガイドに『離乳が順調に進まず鉄欠乏のリスクが高い場合や、適当な体重増加がみられない場合には、医師に相談した上で、必要に応じてフォローアップミルクを活用すること等を検討する』なんて書いてありますが、

カロリーが足りなければ補完食のカロリーを増やせばいいし、鉄が足りなければ鉄分の多い補完食にする方が合理的です。

さらに、母乳を飲んでいるお子さんにフォローアップミルクを与えると、母乳の摂取量が減ってしまう問題もあります。

ちなみに、WHOもフォローアップミルクは不要と明言しています。


次は、その他、補完食でよく話題に出ること。

補完食(離乳食)のおはなし・その4

・補完食はいつから始めるの?
よく「5~6か月頃から」なんてことを聞きます。実際、日本の指針も5~6か月頃と書いてあるようです
し、実際外国でも5か月以降を推奨しているところが多いようです。

ただ、5~6か月のお子さんといっても、やっと寝返りをうてるようになったお子さんからずり這いしそうなお子さんまで発達は様々です。

以下の3点ができたところを離乳食を始める目安としていいかと思います。

・支えれば安定して座ることができる
・口の中に固形物を入れても、舌で押し出さなくなる
・大人が食べている様子に興味を持つ、じっと見る

これができれば離乳食もスムーズに食べられるかと思います。


・どれぐらい食べさせたらいいの?

基本的には「好きなだけ、食べたいだけ」与えて大丈夫です。

逆に、用意した離乳食を全部食べ切って、なおかつその後に母乳あるいはミルクをたくさん飲めるようであれば、もっと食べられるということになるので、離乳食の量をもっと増やしてください。

お子さんの成長はそれぞれです。離乳食本の数字の量なんて目安にもなりません。標準より大きめの子には足りないでしょう。だから、量はその子にあわわせて「好きなだけ、食べたいだけ」が大事です。

また、「いつから2回食/3回食にするの?」という質問もよく聞きますが、これも食べられるのであればどんどん回数も増やしていいと思います。


次はフォローアップミルクとベビーフード


補完食(離乳食)のおはなし・その3

・補う栄養素の話
カロリーだけでは駄目です。他の栄養素も補充が必要になります。

(1)鉄
鉄は血液中のヘモグロビンの材料となるだけでなく、成長に必須のものですが、生後6か月頃には体の鉄の貯えが底をつくので、食事から摂ることになります。
ただ、母乳中の鉄の量はほとんどないと言ってもいいレベルなので、補完食の初期から摂る形になりますが、お粥と野菜だけでは鉄はほとんど摂取できません。

お勧めは赤みの肉やレバーペーストです。よく離乳食の本で勧められる「鶏肉のささみ」や「白身魚」はそれ程鉄は多くありません。鶏肉のささみや白身魚からはじめる理由も、脂質を消化できないという考えから来ているのだと思いますが、油は摂って大丈夫なんです(理由は後述)。

また、野菜に含まれる鉄は肉に含まれる鉄と比べると吸収があまりよくないので、同じ量を食べるのであれば肉類の方が効率よく摂取できます。

(2)ビタミン(特にビタミンAとビタミンC)、カルシウム
ビタミンAは粘膜や皮膚を保護するために必要なものです。ビタミンCは鉄の吸収の補助にもなります。
カルシウムは骨の材料になります。もちろん、体を大きくするためにはカルシウムだけでは駄目で、蛋白質も必要です。

(3)油(脂肪)
「油(脂肪)を食べさせるなんてとんでもない」なんて声が聞こえてきそうですが、そもそも母乳(ミルク)の成分の約半分は脂質(油)です。赤ちゃんもちゃんと脂質を消化できるんです。だから、脂質の少ない食品からはじめるなんてしなくてもいいし、むしろ油が入ることでカロリーが上がり、不足するエネルギーを補えます。



次は、補完食はいつからはじめる?
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