ばば子どもクリニック

東京都羽村市の小児科医院、ばば子どもクリニックです。
院長のコラムや、スタッフの小噺、クリニックからのお知らせをを掲載しています。
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ばば先生のコラム

ばば先生のコラムリスト集

過去のばば先生のコラムのリンクをまとめて掲載してあります。

ばば先生のコラムリスト・その4


ばば先生のコラムリスト・その3

ばば先生のコラムリスト・その2

ばば先生のコラムリスト・その1

ばば先生の子宮頸がんワクチンに関するコラムリスト 

補完食(離乳食)のおはなし

最新のブログはこの下の記事からになります。

手足口病とヘルパンギーナ(エンテロウイルス感染症) -インスタグラムまとめ-

エンテロ-1
(インスタグラム掲載記事をブログ用に再編集しています)
(イラストは、AIにて作成)

だんだんとじめじめして、そろそろ夏風邪 のシーズンになりました。
夏風邪の原因の一つであるエンテロウイルス のお話です。イラストはいつものアレです(笑)。
(blog担当:AIさんに作ってもらっているようです)

エンテロウイルスはだいたい100種類以上あり、そのうち発疹が出るものが13種類、熱性けいれんを起こしやすいものが11種類と多種多様であり、ヘルパンギーナ や手足口病 を起こすものも複数あります。

エンテロ-2


エンテロウイルスの起こす病気で有名なものに、上記で述べたヘルパンギーナ と手足口病 があります。どちらも「口内炎のできる風邪」ぐらいに思っていただいて結構です。手足に発疹ができれば手足口病、できなければヘルパンギーナとなるぐらいです。

大事なことは、「熱が出たらお休み、熱が無くてある程度食事が摂れたら登園・登校はOK」です。発疹の程度は関係ないし、発疹を触って感染することもありません。

勿論、食事が全く摂れなければ預かってもくれないと思うので、その場合は無理しないことです。口内炎は3-4日で治りますので、その間は刺激物の少ない食事にしましょう。

とっておける薬・その2

 数年前に飲み薬の使用期限についてのおはなしをしたのですが、今回はその2です。
 (その1はこちら:とっておける薬)

 今回は塗り薬の話。
 肌のご相談で受診される方にお伺いしているのが

 何か薬をつけましたか?

 という質問ですが、これにたいして『当院で処方されたものを使ってました』との返答を頂くことがあります。前に処方されたもの、とのことですので、カルテをさかのぼってみるのですが、ずいぶん前に処方されたものを塗られている方もいらっしゃいます。その期間はまちまちですが、中にはとんでもなく古いものを使っていたケースもあります。

 さて、この塗り薬はどのくらい取っておけるのでしょうか?
 色々調べたのですが、飲み薬ほどしっかりとした根拠がないですが、チューブに入ったものは開封から半年程度(開封しなければ製品にかかれた使用期限まで)、小分けにされたものは1-3か月程度とのことです。

 このお話をお隣の薬局の薬剤師さんにお伺いしたところ、僕は1ヶ月でお勧めしたい、とのこと。というのも、手というのは雑菌だらけなので、その指を入れてすくい取る軟膏はどうしても雑菌が混入してしまうので、長持ちさせないでほしい。とのことです。

 薬剤師さんもお話の中でおっしゃってましたが、1ヶ月も塗っていたらお肌の状態も変わると思うので、症状が続いているようであれば再度受診をするのがベストなので使用期限は1ヶ月としたい、とのこと。

 このことは当院の処方にも合致しております。当院の処方は経過を密に診たい方には2週間程度で使い切る量、ある程度落ち着いている方には1か月程度で使い切る量を処方しております。2週間処方の方は2週間したら再度診せてくださいね、1ヶ月処方の方は無くなったところでまた相談してくださいね、とご案内していますが、どちらの場合も、どのくらいの残量が残っていて、どのくらい症状が改善しているかを拝見して、薬の調整をしていく意味合いもあります。どちらにしても1か月程度で使い切ってもらう量になってます。

 思いのほか早く良くなったので、塗るのをおしまいにしました、というのは早く良くなったということで喜ばしいのですが(良くなったらおしまいにしていいよーとお話もしていますし)、取っておくのはほどほどにしてほしい、と思った次第です。

 blog担当補足
 塗り薬を衛生的に使う方法としては、まず手をきれいに洗ってもらってから使う、というのは大前提として、患部に塗る指と薬をすくい取る指を変えて、患部に触った指を軟膏に接触させない、必要分をまず手の甲に出してそこからすくって患部に塗る、といった具合に、患部に触れた手をなるべく軟膏容器内につけないという工夫が必要です。

 きれいな綿棒などですくい取るというのも一つの手です。チューブ型のものも、一度患部ではないところに出しておいて、そこからすくって塗るのがおすすめです。

 
 

子どもと吸入薬

この時期、インフルエンザにかかられた方の他院さんの処方を見ていると、低年齢のお子さんに吸入薬でのインフルエンザ治療薬が処方されているケースが見受けられます。

 インフルンザの治療薬に限った話ではないのですが、子どもへの吸入薬の処方はとても注意が必要です。なぜかといいますと

 子どもには吸入薬を上手に吸うことが難しい

 これにつきます。
 喘息の治療薬で噴霧型の吸入薬を処方することがありますが、これも就学前や小学校低学年のお子さんに処方する場合は、いっしょにチャンバーという吸入補助器を買ってもらって、その中に噴霧したうえで上手に吸えるように、効果的に薬液を吸入できるように工夫したうえで行ってもらってます。

 噴霧型であれ、器具を咥えて吸い込むのであれ、タイミングや、しっかりと深く吸い込むといった行為が必要になります。これは、大人ではたやすい行為ですが、子どもにはとても難しいことです。

 実際、この調査を行った方がいまして。
 私が毎年勉強のために参加している外来小児科学会で上がった話です。
 とある薬局の薬剤師さんが、そのシーズンに処方された1回吸入タイプの抗インフルエンザ薬の、使用後器具内の薬剤残量を測量し、必要量吸入できていたかの効果判定をしたそうです。

 すると、小学校低学年以下の年齢のお子さんが使用したほとんどのもので、充分量吸入できていないと思われる量が吸引器具内に残存していたそうです。高学年になってくると、ようやくちゃんと吸えているものが増えてくるといった状況だったそうです。それくらい、吸えていない。

 これではせっかく処方した薬も、意味がないものになってしまいます。

 吸うときに深く吸い込む。
 大人がこうだよ、とやって見せても、アクションだけは真似できても、しっかり吸い込む行為までできているかは難しいものです。

 よい例がしっかり息を吐いてもらうのを診察中にお子さんにやってもらうのが、言葉だけだとどうしてもうまくできない、といったことです。だいたいアクションはおこせても、呼吸はいつも通りなことが多いです。
 小さいお子さんだと、おなかを押すことで深呼吸を再現したり、もう少し大きなお子さんだと、当院では風車を吹いてもらうといったことで深呼吸できるように工夫します。
 
 これらをふまえたうえで。
 1回の吸入ですむ、一発勝負の抗インフルエンザ薬をお子さんに処方することはどうなのでしょうか。せっかく処方するなら、しっかり効果的に摂取できるものが良いと私は考えます。

 一回吸入するだけでよい、確かに簡単で便利という利点は認めます。ただ、子どもへの処方にはどうしてもデメリットが多いと思います。 大人でも、咳などの呼吸器症状の強い方への処方は厳しいと感じます。

 お子さんに複数回、普段飲まないようなおくすりを飲ませる大変さは重々承知しておりますが、せっかくお薬を使ってもらうなら、うまくできるかどうか賭けになってしまうものより、ちょっと大変だけど何回にも分けて効かせるタイプがいいと考えて処方しております。飲ませるのに1回失敗しても、次をちゃんと飲めたらよい、という点もあります。

 参考までに、小児科学会が次のようなガイドラインを出しております。

 2025/26 シーズンのインフルエンザ治療・予防指針

 
 オセルタミビル *バロキサビル
マルボキシル
**
ザナミビル
***
ラニナミビル
***
ペラミビル
新生児・乳児(1歳未満)推奨積極的には推奨しない(B型については本文参照)推奨しない(吸入困難)懸濁液は吸入可能、推奨については本文参照左記4剤の使用が困難な時に考慮する
幼児(1歳から5歳)多くの場合は吸入困難

小児(6歳から11歳)

A型には慎重に投与する。B型には使用することを提案する。吸入可能な場合に限り推奨
小児・思春期小児(12歳以上)****

A・B型共に推奨

(本文参照)
推奨
呼吸器症状が強い・呼吸器疾患のある場合重症例についてはエビデンスが不足している

要注意

(重症例についてはエビデンスが不足している)

一般名で書かれていますので、商品名に直すと

 オセルタミビル(タミフル®)
 ザナミビル(リレンザ®)
 ラニナミビル(イナビル®)
 ペラミビル(ラピアクタ®)
 バロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ®)

となります。本文参照、と書かれたものにつきましては、先ほどのリンクを参照してください。

また、表の下部に注釈がありますが、抗インフルエンザ薬と異常行動についての記載もあります。常々お話していますが、タミフルの服用で異常行動を起こすのではなく、抗インフルエンザ薬の服用の有無にかかわらず、インフルエンザ罹患時は異常行動を発現することがある、ともあります。タミフルはちょっと…と言われることがまだありますが、服薬とは関係なく起こりえますので、書かれているとおりインフルエンザ罹患時には少なくとも少なくとも発熱から2日間、保護者等は異常行動に伴って生じる転落等の重大事故に対する防止対策をとるようにしてください。


 ぶっちゃけた話、抗インフルエンザ薬は使わなくてもインフルエンザは治ります(ガイドラインにも『一方で、多くは自然軽快する疾患でもあり、抗インフルエンザ薬の投与は必須ではない。』とありますね)。
でも使うからにはちゃんと効いてほしい、そう願って処方しています。

風邪(ウイルス感染)に抗生物質は効きません(インスタグラムまとめ)

インスタグラム投稿からの転載です。溶連菌の話で抗生物質のおはなしが出てきたので、抗生物質のおはなしを引っ張ってきました。風邪と抗生物質のおはなしです。

耐性菌

もう10年以上前から言われていてご存知の方も多いかと思いますが、未だに処方する医者がいるので、今日は風邪 と抗生剤 (抗生物質 )の話です。

まず、風邪の原因は「ウイルス」であり、抗生剤は「細菌(バイ菌)」に対して効くものですので、そもそも相手が違います。


風邪に対して抗生剤を使うと、下痢したり、子どもだと一部の抗生剤で低血糖(体の糖分が足りなくなり、ぐったりしたりする)になったりします。

更に、人間の体には一定数の細菌はいて、その菌が「耐性菌 」となり、一定の条件下で体に悪影響が出たり、その菌が他人に感染すると、治療が困難になることがあります。

以前、子供の中耳炎の原因となる菌が耐性菌となって問題になった事がありましたし、今でも「院内感染で耐性菌」なんて時々ニュースに出てきます。

よく「風邪ひいて抗生剤飲んだら治った」という人がいますが、恐らく飲まなくても治った可能性が大です。(因みに、この論法を「3た論法」というのですが、その話は後日)

(blog担当より。インスタでは後日となっていますが、ばば先生、過去にブログに『3た論法』について記事にしております。リンクを張っておきますので、よろしければご覧ください。今回の抗生物質のおはなしや、アレルギーのおはなしにもなっています。
ばば先生のコラム:さんた論法

勿論、明らかに細菌感染が疑われる時は私も抗生剤を処方しますが、説明してから処方しています(念のため、では処方しません)。このように、必要だから処方した抗生剤は最後まで飲みきってください。


blog担当の補足?
ちなみに、昨年の外来小児科学会にて拝聴してきた講義の中に、小児耳鼻科の医師の講義がありまして。その中のおはなしで、小児の中耳炎の症例で抗生物質の投与が必要であったケース(適応症例)は全体の10%であった、とのこと。本当にその抗生物質は必要ですか?と投げかけられておられました。

先だってのニュース記事ですが、百日咳にかかった方の追跡調査をしたところ、8割が抗生物質への耐性菌で新たな治療薬を探さなければならない、といった状況も発生しているようです。

院長のコラムにもありますが、使える薬がどんどん減っていくから、頼むから乱用しないでくれ、というのが切なる願いであります。

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