今話題になっている「鼻スプレーのインフルエンザワクチン(フルミスト)」について、わかっている範囲内で説明したいと思います。

簡単に言うと、「鼻の粘膜に弱いインフルエンザワクチンをつけて、粘膜から免疫をつける」というものです。
海外ではもう10年以上前から導入されており、日本でも海外から並行輸入で取り寄せて使っているクリニックもありました。

一時期、「新型インフルエンザには効果が無い」とか言われた時期があり、ACIP(アメリカの小児ワクチン接種に関する委員会)でも一時経鼻噴霧ワクチンを非推奨にしていたこともありました。ただ、その後改良を進め、今では新型インフルエンザも含め注射と変わらないぐらいの効果があるとされており、ACIPも非推奨から外しています。

一番のメリットは「痛くない」でしょう。
勿論、左右の鼻の中に0.1ml程度ではありますが液体が入るので、多少の違和感ぐらいはあるかと思います。ちなみに、0.1mlというのは花粉症などで使う点鼻薬の点鼻1回分、目薬で2滴分ぐらいです。
また、接種回数は1回なので、病院に来る回数は減らすことができるかと思います。ただ、全くインフルエンザワクチンを接種した事が無く、インフルエンザに罹ったこともない方に関しては、2回接種したほうがいいと言われています。

有効性は注射による接種と変わりません。また、病院での接種になります。

デメリットは、たまに接種後発熱、鼻汁、咽頭痛といったインフルエンザみたいな症状が出る方がいます。また、2週間ぐらいはインフルエンザの迅速検査を行うと陽性となるとのことです。

経鼻噴霧ワクチンができない方は以下のようになります。

・2歳未満、19歳以上
・アスピリン、サリチル酸という薬を定期的に内服している方
・免疫不全と診断されている方
・接種時に大量の鼻汁が出ている方
・抗インフルエンザ薬(タミフル等)を内服されている方
・妊娠中の方(数は多くないとは思いますが)

また、喘息の発作などで診察時に体調が悪い方は接種できませんとはなっていますが、これは注射によるワクチン接種でも変わりませんよね。

ただ、腹の立つことに、現在鼻スプレーの発売が延期になっています。(手続き上の問題だそうです)
ですので、当院でも発売され次第接種開始とさせていただきます。

以上、わかる範囲内でお伝えさせていただきました。よろしくお願いいたします。

-----ブログ担当者補足-----
経鼻ワクチンは少量の入荷となっております。そのため、在庫分のみの予約受付となっております。在庫切れで予約を取れなかった方はクリニックまでご相談ください。

また、フルミストはお鼻にスプレーをするワクチンです。鼻の中に何かを入れられることを嫌がるお子さんにはあまりお勧めできません。嫌がって泣いてしまうとたくさん鼻水が出て流れ出てしまうことが考えられます。お子さんとよく相談をして選んでください。