昔からそうなんですが、割と「病名」にこだわる人が一定数います
特に、病名がついたほうが他人に説明しやすい、「管理」がしやすいという意見をいう人もいるようです(幼稚園や保育園などの集団生活をしている人に多い印象ですが)

他人への説明という点では、ある程度意味はあるんじゃないかと思います。
「発熱と口内炎ができる風邪」というよりは「ヘルパンギーナ」と言ったほうが短いし、聞いた相手が病気自体を理解していればわかりやすいのではないかと思います。

では、管理という面からみて、病名がどの程度管理に有効でしょうか?
例えば、インフルエンザやコロナウイルスのような、出席停止の期間が決まっているものに関しては診断名は必須でしょう。

では、それ以外の病気ではどうでしょうか?例えば、「風邪」という病名であれば、「発熱があるときは休むが、解熱して元気であれば登園OK」となると思います。

他の病気だとどうでしょうか?例えば、最近流行している「ヘルパンギーナ」は発熱と口内炎ができる病気ですが、ほとんどの所で「解熱して元気なら登園OK」だと思います。
そうなると、病名はつくけど対応は風邪と同じになります。

実際のところ、登園停止の期間がはっきり決まっている病気でない限り、集団生活での対応は全く変わりません。さらに言うと、家での対応は症状に対する薬が少し変わる程度で、ゆっくりお休みしてもらうという点ではどの病気でもほぼ一緒です。

一部の病気を除き、管理の面から病名をつける意味はあまりないんじゃないかと思っています。

これは幼稚園や保育園などの集団生活だけでなく、医者の中でも出てくる話ではあります。
例えば、咳が強く出ているお子さんで、聴診で痰の絡む音が聞こえるとき、私は「のどにくる風邪とか、鼻にくる風邪とかありますが、その中の痰の出るタイプの風邪」と言いますが、他の病院では「気管支炎」と言われるそうです。

では、その病院では他の風邪のことを別の言葉に言い換えているのでしょうか?おそらく言い換えていないと思います。ちなみに、のどにくる風邪のことを「咽頭喉頭炎」、鼻にくる風邪のことを「鼻咽頭炎」と言いますが、おそらくそう説明する医者は少ないのではないかと思います。

私が説明するときは、回りくどくならないように、なるべくわかりやすく、をモットーにしているつもりです(できていない時も多いですが)

なので、「気管支炎」と言ってしまえば時間短縮になるのかもしれませんが、「痰が出るタイプ」と言ったほうが想像はつくかと思いますし、私の場合、特定の治療薬を使わなくても自然に治るものを「風邪」と言っていますので、「痰の出るタイプの風邪」というと少しは想像がつきやすいのではないかと思っています。

そのうち、『鼻水が出て鼻が詰まる病気を「ゾウさんパオーン病」、のどが痛くなる病気を「ライオンガオー病」としましょう』なんてなったら、幼稚園や保育園から「ゾウさんパオーン病やライオンガオー病かどうか診察してもらうように」なんて言われるかもしれませんね(笑)。