一時期品薄なんて言われていた消毒用アルコールですが、最近ではスーパーで普通に販売されるようになってきました。
勿論、最近の大騒ぎが元なんですが、この結果、今年は手荒れで来院されるお子さんが多い印象でもあります。(ちなみに、手荒れには個人的にワセリン頻回塗布を勧めています。詳しいことはご相談ください)
アルコールがウイルスに効く、というのはご存知かと思いますが、意外に知られていないのがアルコール消毒の効かないウイルスがいる、ということです。
そもそも、消毒用アルコールがウイルスに効くのは、エンベロープ(封筒という意味)という、ウイルスの外側にある膜を壊すことでウイルスを死滅させるからです。
ただ、ウイルスの中にはこのエンベロープを持たないウイルスもいます。このようなウイルスに対してアルコール消毒をしてもあまり効果はありません。
このようなウイルスには、胃腸炎で有名なノロウイルスやロタウイルス、鼻風邪の原因になるライノウイルスや夏風邪の原因になるアデノウイルス、手足口病やヘルパンギーナの原因になるエンテロウイルスがあります。
エンベロープを持たないウイルスに対してアルコール消毒をしてもあまり効果は出ないので、アルコール消毒を過信していると痛い目にあいます。
というわけで、私のウイルス対策のお勧めは「手洗い」です。
エンベロープとか面倒くさいこと言っても、物理的に石けんで洗い流すのが一番有効です。
手洗いが簡単にできない環境で初めてアルコール消毒、となります。
ちなみに、手洗いのあとアルコール消毒は不要です。
厚生労働省も、手や指のウイルス対策として最初に挙げているのはアルコール消毒ではなく手洗いです。
これからも「マスク手洗いディスタンス!ξ( ・Д・)3 はい!ξ( ・Д・)3」で頑張りましょう。(わかる人にしかわからないネタですみません、知りたい方はこのまま検索してみてください)
私はこれから胃の中をアルコール消毒してきます(笑)